ちいさなもみのき
今の会社に転職してから、忙しくなりすぎてろくに読まなくなっていたのですが、昔は今と違うことをやりたかったのもあってよく読書や絵本を読んでいました。最近になってようやく時間ができてきたので、また読もうと思ってとりあえず絵本を借りました。絵本って今大人になって読み返してみると、子供の時に気付かなかったことや作品構成の巧みさにあらためて驚くことがあって、かえって新鮮な気持ちで読むことができます。基本は子供に読ませることが前提で絵本は作られるはずなので、そう考えると子供の次元で物語を理解させたり感じたりさせる行為というものは難しいものですし、それだけに、作品構成や展開は高度な技術が必要なわけです。
前置きが長くなってしまいましたが(苦笑)、この作品、森で生まれたちいさなもみのきが主人公です。森の中で大きなもみのきから少し離れたところにちいさいもみのきが立っていて、みんなと一緒にいたいのに自分だけ少し離れた所に立っているので寂しい思いをしています。そこにある人間の大人がやってきて、冬の間だけは足の悪い子供の部屋に移動されて、その子のために冬の間はクリスマスツリーになるという役目をもらいます。春になればまた元の森に植えられ、それが数年続く中で自分が輝く機会をもらえたこと、足の悪い子供の喜ぶ姿などを見てもみのき自身も楽しみのひとつになっていったのですが、ある冬になっていつものようにあの子供の部屋に連れていかれるのを待ってるのに、いつもの人間の大人が来ない.....
淡々と物語は進むのですが、春夏秋冬が描かれる情景の美しさ、優しさや幸せについて考えさせられる作品です。人間のお父さんが足の悪い息子にクリスマスや森のにおいを感じてもらおうと、毎年毎年いくら小さいとはいえ重いだろうもみのきを森から持ってきて、また春には大切に扱いながら森にもみのきを戻す、という行為にも胸を打たれます。読む機会がありましたら、もしくは小さいお子さんにおすすめできる絵本です☆
こういう時間が少し持てるようになったのは、本当にありがたい今日この頃です。


